脳瘤のこども
2009年 06月 26日
脳瘤という先天的な(生まれつきの)病気、正確には(奇形)がある。
いくつかタイプがあるが、ミャンマーで多いのは、ちょうど眉間の部位にあるものだ。
眉間の骨がなく、穴が開いている。そこからひどいものは脳の一部が飛び出し、ほとんど皮膚一枚(+α)で外と隔てられている。
今回も大きな脳瘤の2歳の子どもがやってきた。
一度、現地の大きな病院で手術を受けているが、簡単な手術をしただけで、奇形は直っていない。
さらに悪いことに、そこに感染を起こし、ひどく腫れ上がり、小さな穴が開いて、髄液という脳を包み込んでいる液体がもれ出ていた。
そこにひどい感染を起こせば、脳炎や髄膜炎になる。そしてほとんど死ぬ。
抗生剤をがんがん点滴して、何とか感染を収めた。
この子どもは目が眉間に大きな塊があるために大きく離れている。まっすぐにはものが見れない。
私が正面から普通に話しかけると機嫌よく、真横を向く。
どちらかの目で私を見る。そしてにっこり微笑む。
知能は正常のようだ。
感染は収まったものの、奇形は直っていない。
現地の私に与えられた環境で手術をするのは難しい。
先日、国立病院機構岡山医療センターの青山院長に相談した。
脳外科、形成外科、麻酔科、そして小児外科。
話し合いがもたれたそうだ。
返事がきた。
WELCOME!
これから忙しくなりそうだ。
ひとりの子どもを救うのに、100人以上の人たちが動く。
なんと非効率なことをしているのだろう。
もし私が日本で再び働くことがあったとしても、あなたやあなたの子どものために、こうしてもみたいと思う。