今回の患者ー卵巣腫瘍
2009年 06月 12日
今回の患者たちの中で一番記憶に残りそうなのは、多分30歳代後半の卵巣腫瘍の患者になる。
巨大なお腹をして、低栄養、貧血そして全身のむくみもあった。
おそらく腫瘍による消化管の圧迫のために食事はあまり取れていないように思えた。
そして、腫瘍が大きすぎてすでに上を向いては寝れない状態だった。
手術をして取り出してみたら腫瘍は36キロの重さだった。
この女性は体重が半分になってしまった。
手術中にこの重さを量ろうと男性の医師に持たしてみたらよろめいていた。
彼女が帰るとき病院の玄関先で、バイクトラックに乗り込むのを偶然見たが、軽やかに荷台に飛び乗って笑っていた。
命の安堵を得たんだと思った。
その笑顔の中に、また美しい景色を見た。