ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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患者助かる

患者助かる

 ヤンゴンに急きょ引き返した。
 現地からは日にちを追ってというより時間を追って状態が悪くなってゆく患者の連絡が入っていた。
 右腕はすべて腐り、そこから大量の膿が噴き出す。
 こうなってはもはや抗生剤など効きはしない。
 高価な薬も所詮、何とかのすかしっぺ、徐々に状態が悪くなる。

 ヤンゴンの事務所についた。
 もはや15時間以上かけて搬送して手術をする余裕は患者にはない。しかもサガインの病院はあと数日は閉鎖している。

 ヤンゴンのオフィスの一室が手術用に改造される。
1996年メティーラという田舎町の家の一室を改造し手術を始めた頃を思い出していた。
あの頃、1年間で1000件くらいそこで手術をしたんだった。

 極度の貧血、ひどい感染、電気メスなどないさびしい医療環境。
 ああ、昔のようだと思った。
 しかし、一つだけ昔と違う事があった。
 私の周りには多くの日本のスタッフたちがいた。

 右腕、切断。
 30分。
 患者の思い、家族の思い、スタッフたちの思い。
 すべてを思いを背負ったと、心でつぶやき一気に手術を終えた。

 翌日、患者はベッドに腰かけていた。
 20日以上続いていた40度を越える発熱は、37度に下がっていた。
 
 患者はひさしぶりに笑った。
 家族にも笑顔が戻った。
 スタッフ達も皆幸せそうに笑っていた。

 私はすっかり疲れて、ひとり渋い顔をしている。
 今、すっかり疲れが出て、風邪をひいたようだ。
 
Commented at 2009-04-23 14:52 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by japanheart | 2009-04-19 11:21 | いのちの重み | Comments(1)