ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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患者を残して

患者を残して

術後の状態が悪く、前腕を切断した患者がいる。
サガインの病院は、この水祭りで数日間閉鎖される。
この患者をどうするか?

ヤンゴンへ車で15時間以上かかって搬送した。
患者が私に尋ねる。
「先生、返ってしまうんですか?日本へ。」
私は答える。
「うん、帰る。」「新しい医者を3名呼んだから、安心して。」
患者は
「でも、先生ほど信頼はできない。」
私は
「そうだね。、、、、」

患者は私が帰る時、切断した反対の手で私を掴み、私は大丈夫ですか?と聞いた。
私は「ああ、多分。」と答えた。

現地の看護師や医師から連絡が来た。
感染の状態がひどく、切断した腕が上腕まで壊死してきているそうだ。

私は再び、現地へ帰らねばならない。
昔のように、薄汚れた部屋の一室でこの患者の未来をかけ再び手術をするために。

一方、今私の父親は危篤だ。やっと昨日家にたどり着いた。
父親は昨日もいれて、3日連続して手術を受けた。
手術前のICUで、気管内にチューブを入れられた父親に「大丈夫だから」と言った。
父親が頷いていた。
もう生きて会えないかもと思っていた。
ただ会えてよかったと思った。

その頷いた父親の目が、ミャンマーに残してきた患者と同じ目をしていた。
私は帰らねばならない。
by japanheart | 2009-04-12 11:12 | いのちの重み | Comments(0)